【矛盾】修学旅行は中止なのにGoToキャンペーンを延期しない理由 | はらさわ-お役立ち通信

【矛盾】修学旅行は中止なのにGoToキャンペーンを延期しない理由

今、日本全国の小中高校で「修学旅行」が中止が決定されています。

東京都の感染者数が100人を超える前のほんの2週間前くらいまでは、宮城県など震災にあった地域が“修学”旅行の目的地として考えられているニュースが報道されていましたが、感染者数が200人を超えてからは教育現場でも状況が一変しています。

一方、旅行代金の一部が補助されるGoToキャンペーン(正しくはGo To Travelキャンペーン)に関しては当初、8月からスタートする予定でしたが、7月22日から開始と前倒しされることになりました。

これに関して、なぜ修学旅行は中止なのにGoToキャンペーンはやるのか?という疑問が多く上がっています。

この記事では7月9日に東京都の感染者数が224人と急激に増え、修学旅行の中止が続々と決定される中、なぜそれでもGoToキャンペーンは開始されるのか?

その理由について考察しています。

修学旅行が中止になっている理由

以下はネット上に次々と投稿されている修学旅行が中止になったお子さんを持つご両親や学生さんの声です。

  • 子どもに対して示しが付かない
  • 子どもがかわいそう
  • 矛盾している

など親目線での思いや子供が大人のやり方に疑問を感じている意見が見られます。

修学旅行をやるかやらないかの判断は国ではなく、各学校や各自治体の教育委員会による判断に任されています。

そのため万が一、修学旅行をしたことによって学校集団クラスターが起きてしまった場合、その責任はどこにあるのか?といえば、各学校と教育委員会になるでしょう。

児童や生徒の安全を最大限考慮した場合、「修学旅行に行かない」という判断は当然ではないでしょうか。

集団による移動、三密にならざるを得ない修学旅行というイベントを敢えて決行し、感染が起きてしまったとき、学校側や教育委員会への責任追及は計り知れません。

一方、そのようなハイリスクの中で修学旅行を予定している学校もあり、子供間の不平等が生じてしまっているのも事実です。

なぜGoToキャンペーンは前倒しで予定通り決行なのか?

修学旅行をやるかやらないかの判断が各自治体の学校、教育委員会に委ねられている中、国土交通省主導のGoToTravelキャンペーン(以下GoToキャンペーン)は中止や延期どころか前倒しして開始されることが決まっています。

そもそも、新型コロナウイルス感染収束後の施策であるにもかかわらずなぜ、今やらなければならないか?その理由は以下の2つです。

  • 経済優先
  • 選挙対策

経済優先!国が旅行代金の最大半額を補助

今やらなければならない最大の理由は経済の回復です。

GoToキャンペーンの目的は新型コロナウイルスにより落ち込んだ観光業、運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント業などに対して補助金を出し、需要を回復させるためです。

感染拡大が続いている中でも国がGoToキャンペーンを推進する理由はこれにあります。

菅官房長官の会見や経済界の反応を見れば「Withコロナ」=コロナとの共存という考え方にシフトしていることがわかります。

選挙対策!全国旅行業協会会長は二階俊博自民党幹事長

これは少々うがったみかたですが、自民党総裁の任期が1期3年という現行の党則に従えば、安倍首相(自民党総裁)の任期は2021年9月迄です。

そのため解散風が吹きはじめている感もあり、今秋の衆議院解散もあり得るのではないか?と言われています。

実はGoToキャンペーンと衆議院の解散には重要な関係性があると思われます。

どんな関係があるのか?というと、地方選出の議員にとって地元の地域活性化は最重要課題です。

とりわけコロナ禍による観光業の需要低迷は大きく、関係者にとってGoToキャンペーンは待ちに待った施策なんです。

地元の観光業等が潤えば、組織票を多く持つ(自民党の)候補者は次の衆議院選挙に有利に働くのは言うまでもありません。

そしてなにより選挙を指揮する自民党の二階幹事長は一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)の会長を務めていらっしゃいます。

GoToキャンペーンの目的は観光業等の需要喚起、回復です!

どういうことかわかりますよね。

党内から表立ってGoToキャンペーンに対する批判が出ないのはそのような事情があるからではないでしょうか。

賛否両論!GoToキャンペーンに賛成?それとも反対?

Twitter上の意見は真っ二つ分かれています。

【反対派】#GoToキャンペーンを中止してください

【賛成派】#GoToキャンペーン賛成

感染拡大防止か?経済優先か?の議論に行き着く

結局のところ、感染拡大を防止するために移動制限をする、移動自粛するかある程度感染者が出ることは想定しつつも観光業界の需要を回復させて経済を優先させるかの二択に行き着きます。

つい、この間まで県外間の移動自粛を促していたにもかかわらず、今度はGoToキャンペーンという日本国内の移動を推進するという矛盾とも取れる施策が開始されることに疑問や不安を抱く人が多いのは不思議ではありません。

なぜなら多くの人がGoToキャンペーンの実施に対して「タイミング的に時期尚早」と考えているからです。

なぜ「今」なのか?ということです。

大阪府吉村知事もこのように仰っています。

このように、近隣地域の行き来からスタートして、感染の様子を見ながら移動域を拡大していくのが最も理にかなっていると思います。

まとめ

修学旅行の中止が決まる中、なぜGoToキャンペーンは延期されないのか?の答えは国としては観光業界の経済がもうギリギリの限界状態をなんとかして回復させたい思いがあります。

それが利権に絡んでいるかどうかはわかりませんが、観光業界が大きなダメージを受けていることは確かです。

GoToキャンペーンを実施することで観光業界が少しでも潤い、観光業を主としている地方都市にとってもプラスになることは良いことです。

ただ一方、人の移動を抑えることによって感染拡大防止になることは事実であり、新規感染者数が連日増加している東京・神奈川・千葉・埼玉の4都府県から地方への移動はリスクを伴います。

ウイルスを運んでしまい、感染を拡大させてしまっては元も子もありません。

経済を優先させるかそれとも感染拡大を防止させるか、やはり短いスパンで感染者数を計測しながら適宜政治が判断するしかないのではないでしょうか。

決まったことだからやる、ではなく柔軟な判断が求められます。

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