2021年2月7日、ついにNHK大河ドラマ『麒麟がくる』が最終回を迎えます。
この記事では2月6日に放送された『土曜スタジオパーク』にゲスト出演した明智光秀役を演じた俳優の長谷川博己さんのトーク内容を織り交ぜながら、物語のクライマックスである“本能寺の変”で魅せる演技力について考察したいと思います。
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本能寺炎上シーンは10分間カメラが回っていた
『土曜スタジオパーク』で最終回について語ってくれた長谷川博己さんですが、ドラマ内では“光秀パート”と“信長パート”があり、自身明智光秀のシーンでは、本能寺が炎上するシーンにて10分間もカメラが長回しされていたことを明かしてくれました。
通常、ドラマの撮影はカット割りといって短いパートに区切って撮影されます。
しかし、本能寺炎上シーンでは燃え盛る本能寺を前にして10分間カットがかからず、そのとき今までの信長との思い出が走馬灯のように浮かび上がって、泣いたり叫んだり色々な感情が沸き上がってきたと仰っていました。
しかし、残念ながらその長回しされた部分は本編にはそんなに使われていないそうです。
明智光秀を生きた長谷川博己の演技力
今まで多くの大河ドラマや歴史ドラマでも明智光秀は登場していますが、今回『麒麟がくる』にて長谷川博己さんが演じたことにより、多くの人が今まで漠然と抱いていた“光秀像”がガラッと変わったのではないでしょうか?
今回、染谷将太さんが演じた織田信長についても“新しい信長像”を生み出したと言われていますが、長谷川博己さん演じる明智光秀でも“新しい光秀像”を演じ多くの視聴者などから高評価を得ています。
時代考証を担当している歴史学者の小和田哲男先生も新しい光秀像を演じられた長谷川博己さんに感謝をしていらっしゃいました。
上手いと言われる芝居は役を生きること
ドラマを見ていてこの俳優さん演技が上手いな!とかこの女優さんすごいな!と感じることがあると思います。
しかし、なぜ演技力が高いのか?なぜ下手なのか?について明確に理由を答えられる視聴者は少ないのではないでしょうか?
もちろん、経歴の長い役者さんなど経験によって現れる“味”のようなものもありますが、必ずしも年齢や経験に関係なく20代の若い役者さんでも上手い人がいます。
芝居が上手いと言われる人に共通しているのは与えられた“役の人物を生きています”。よく“役を生きる”と言いますが、演じるのではなくその人物に成りきるということです。
お芝居の基本原則に“ただそこに居る”ことが重要だと言われます。
“ただそこに居る”という意味はつまり、役の人物のありのままでいることです。
素人がお芝居をすると、どうしても演じようと努力してしまうためわざとらしく見えるんです。
しかし、長谷川博己さんをはじめとするプロの演技が上手いと言われる役者さんは、役の人物として生きているため自然に見えるんですね。
私たちは戦国時代に実在した明智光秀本人を知りません。ですが『麒麟がくる』の明智光秀を見て、こんな人だったのか?と錯覚することがあると思います。
このように、フィクションとして役を演じているにもかかわらず、実在する人物のように視聴者に感じさせることができる役者さんが演技が上手い!演技力が高いと言われるのです。
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まとめ
土曜スタジオパークでは長谷川博己さんより次のようなメッセージがありました。
「本能寺の変まで光秀が苦悩し、大きな決断をするまで道のりが細かく描かれています。討たれる側の葛藤、それを見守る人々の姿。そういうものがすべて怒涛のように進んで、衝撃のクライマックスを迎えます。こうやって1年半以上やってくるとですね、作品自体がもの凄く熟成度を増している感じがします。キャスト・スタッフを含めた集大成がすべて最終回に残っていると思いますので、是非楽しみにしてください」
「本当にいろいろなことがありましたけれども、それも含めて余韻の残る素晴らしいラストになると思っております。明日で僕は明智光秀の荷から下りますけれども、皆さまには、どこかで僕を見た時に、明智光秀の幻影が見えたりしたら、うれしいなと思います。少しでも心に残っていただけたら、幸いです。本当にいろいろ、ありがとうございました。皆さまのおかげで、明日迎えられます」
さて、『麒麟がくる』の本能寺の変がどのように描かれているのか楽しみですね。
『麒麟がくる』には急遽、代役を任された女優の川口春奈さんの帰蝶さまも好演でした。