プレゼントで頂いたフラワーアレンジメント、せっかくもらったのにすぐに枯らしてしまうのは避けたいですよね?
そしてもらった後に、水やりなどどうやって管理すれば良いのかわからない人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事ではカゴなどに入ったフラワーアレンジメントの水やりを中心に長持ちする管理方法全般に関して、お花屋さんの私がQ&A形式でお答えします。
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フラワーアレンジメントの水やり方法
スポンジに水をあげるタイミングは何日に1回?水の量はどのくらい?
減ったらこぼれないくらいまでたっぷり足してください。
これは簡単で、フラワーアレンジメントの端っこにはどれくらい水が残っているか確認できる場所があるはずです。
指を入れてみてカゴの底にしいてあるセロハンから溢れない程度に水を補給して下さい。
生花は思いのほか水を吸収します。
カゴの大きさに対してたくさんの花が入っている場合はそれだけ吸水する水の量も多くなります。
ちなみにフラワーアレンジメントの場合は水のやり過ぎが原因で花が枯れることはありません。
もし水をたっぷり入れているのに枯れるのであればそれは寿命です。
ここが根が付いている鉢植えと根がついていない切花の違いですね。
同じ“花”でも管理方法が全く異なります。
水やりはコップでもいいの?
コップでも良いが調理用ビーカーか小さめのジョーロが適当
フラワーアレンジメントの隅から水をやるといっても、せまくてやりにくいと思ったことありませんか?
実は作り手である花屋さんでもコップなどでアレンジメントに水やりをするの難しいです。
よく、お客さんから「どうやって水やりをしたらいいですか?」と聞かれたとき「コップなどで入れて下さい」と説明するのですが、正直お客さんの立場になればどてもやりにくい方法だと思います。
なぜコップだとやりにくいのか?というと狭い場所に口の広がった一般的なコップからこぼさずに水を入れるのは難しいからです。
例えば、普通のコップに入っているお酒をお猪口など口の小さい容器に水を入れるとき、必ずと言っていいほどこぼしますよね?
あれと同じくフラワーアレンジメントも水を入れるスペースが狭いためやりにくいんです。
フラワーアレンジメントへの水やり器具として、本当はお花屋さんが使っている「ポリ洗浄瓶」という実験用品があると良いのですが、わざわざ購入するほどのものでもないです。
ですので、一般のご家庭にあるもので代用する場合は調理用のビーカーか小さめのジョーロが適当です。
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フラワーアレンジメントの管理方法
透明のラッピングセロハンは取った方がいいの?
まず、多くの場合透明のセロハンやリボンなどによってラッピングされたフラワーアレンジメントをもらうことが多いと思います。
受け取ったらすぐに外してください。
お花は呼吸をしているためセロハンをつけっぱなしにしていると蒸れます。
セロハン内がサウナ状態になり、花が弱ってしまうからです。
何のためにセロハンがされてるのか?
フラワーアレンジメントに掛けられているセロハンの目的は、お花屋さんからお客様さんが購入して、運び、最終的に飾る場所までの間に花が折れたり傷つかないようにする花の保護目的です。
生花は落としたり、何かにぶつかった衝撃で花首や茎がポキッと折れてしまうことがあります。
注文を受けてお花屋さんが最終的にお花が飾られる場所まで直接配送する場合は不要なのですが、そうではないパターンでは必ずと言っていいほどセロハンをかけます。
セロハンを外したあとに注意すること
セロハンを外したあとに注意してほしいのが、カゴに入っている水が漏れていることがあります。
これはお花屋さんが入れた水の量が多かったり、移動中に水が揺れてスポンジの下に敷いてあるセロハンを超えて溢れるためです。
そのため気付かずに飾ってしまうと、水が漏れたかごの跡が家具などに残り、シミがついてしまい消えません。
ですので、セロハンを外したら湿っているところがないか、漏れているところはないかを確認して下さい。
もし漏れているようであればタオルなどを敷くか、お皿などに乗せて飾る、あるいはセロハンを取らずにそのまま飾る方法があります。
セロハンをつけっぱなしにするのは良くないのですが、水が漏れてしまっていては仕方ありません。
作り手のお花屋さんからすると中々難しい問題で、この事故を良く知っている人であれば輸送中でも絶対にこぼれない量の水しか入れないのですが、あまり気にしていない花屋さんだと想定していないため、事故が起きやすいです。
フラワーアレンジメントの置き場所はどこがいい?
できるだけ長く持たせるには直射日光が当たらない場所、できるだけ涼しい場所に置いてください。
デーブルの上や玄関などであればガンガンに日が当たることも少ないと思います。
ただ、これにも限界があって例えば7~9月の夏にかけては全般的にお花が長く持ちません。
切花の場合、どうしても根がついていないため夏の暑さには弱いからです。
花束の場合、茎が水に浸かっているから大丈夫なのでは?と思うかもしれませんが、室温にもよりますが水がお湯になってしまうため、長持ちしません。
氷などを入れるという手もあるのですが、大きな効果にはなりません。
スポンジからお花を抜いて花瓶に入れ替えた方が良い?
入れ替える必要なし
基本的にバラバラの種類のお花を組みわせて形にしたのがアレンジメントです。
そのため長持ちさせるためにわざわざ抜く必要はありません。
ただし、アレンジメントの写真は一通り撮ったし、あとはできるだけ長くお花を持たせたいため、スポンジからお花を抜いたほうが良いのか?という質問に対する答えは、抜いて茎の下をハサミで2㎝程度切り、花瓶に入れて鑑賞した方が長持ちします。
お花はどのくらい持つの?
根本的なお話をすると、フラワーアレンジメントがあなたの手に渡ってから枯れるまでの日数は長くて1週間、短くて3日程度です。
1週間持てば良いと思ってください。
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お花の持ちの違いはなに?
フラワーアレンジメントでもお花が長くもつものと短いものがあります。
もちろん、もらってから水を足してあげなければ枯れるまでの時間が短くなるのは言うまでもないのですが、全くあげなくても違いが出ます。
その違いの理由については以下の3つです。
- 花の種類
- 季節
- 作ったお花屋さんの花の品質と鮮度
花の種類
まず、お花にはたくさんの種類があるのですが、根が付いていない切り花の状態にしたときに枯れるまでの日数が長いものと短いものがあります。
■長持ちする主な花
- キク
- トルコキキョウ(八重咲)
- パイナップル
■長持ちしない主な花
- ダリア
- ポピー
- ガーベラ
あくまで一般的な例なのですが、根がない切花状態になるとどうしても花持ちが短くなる種類の花があります。
茎が細い繊細な花や茎が柔らかい花などは比較的あまり長く持たない傾向があります。
季節
フラワーアレンジメントを長く楽しめる時期とそうではない時期があります。
基本的に長く楽しめるのは冬、短いのは夏です。
北海道など気温が氷点下になる地域では花が凍ってしまうため冬期も適していないのですが、関東や関西など中間地と呼ばれる地域では圧倒的に冬の方が花が長く鑑賞できます。
それに対して、夏に切花を鑑賞するのは不向きです。
夏でもお祝いなどありますのでフラワーアレンジメントの需要はありますが、日中エアコンを切った部屋に置いておくと、最短1日くらいで花が下を向いてきます。
ですので真夏にフラワーアレンジメントが持たないのは仕方ないと思ってください。
作ったお花屋さんの花の品質と鮮度
お花屋さんによって花の鮮度は違います。
以下はお花の流通の流れです。
生産農家
↓
市場
↓
お花屋さん
↓
お客さん
基本的にお花屋のお花は市場から仕入れられて、店頭に並び、フラワーアレンジメントや花束としてお客さんの手元に渡ります。
で、鮮度の良い花と悪い花の違いは仕入れているお花の質と仕入れからお客さんの手元に届くまでの時間の差です。
まず、品質に関しては、お花はお肉と同じように花の質(花の大きさや長さ等)によって秀品、優品、良品などのようにランク分けされています。
どんな品質のお花を仕入れるかはそのお店の仕入れる人の目利き次第です。
レストランなどと同じですね。
そして、もう一つは鮮度の問題です。
鮮度の良い花・・・仕入れからお客さんに渡るまでの時間が短い
鮮度の悪い花・・・仕入れからお客さんに渡るまでの時間が長い
一見、きれいに見えるお花でもA店のお花はすぐ枯れるけどB店のお花は長持ちするなんてことがあります。
これは仕入れからお客さんの手元に渡るまでの時間が短いか長いかが大きく関係してます。
例えば、仕入れてから1週間お店の冷蔵庫にあった後、アレンジメントとして商品になりお客さんの手元に渡ったた場合と、仕入れた日にすぐにアレンジメントとして商品になりお客さんに届いた場合では、後者の方が圧倒的に花の鮮度は良く長持ちします。
これはお花屋さんに限った話ではなく、食べ物屋さんでも回転が良いお店の品物の方が鮮度が良く美味しいなんてケースがありますよね。
あれと原理は同じです。
まとめ
最後にフラワーアレンジメントの水やりと管理方法のポイントを示します。
- セロハンはすぐ外す
- 日陰や涼しい場所に置く
- 水は減ったら足す
- 水やりはできれば調理用ビーカーか小さめのジョーロが適当
- フラワーアレンジメントは1週間持てば良しとする