今、知事や市長、地方議会の長などが公用車としてトヨタセンチュリーに乗っていることに大きな批判が集まっています。
特に兵庫県の井戸知事が公用車センチュリーに多額の費用が使われていることに対し、反論し火に油を注ぐ結果になっているのはご存知の方も多いと思います。
では、この公用車問題についてなぜ知事や市長が乗ると叩かれるのか?根本的な原因についてまとめました。
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税金で贅沢をしてると感じるから
公用車は税金で購入されています。
この公用車問題の本質はセンチュリーという超高級車に税金が使われていることです。
もし、センチュリーが100万以下の軽自動車であったならばたとえ税金による購入でも批判は出てこないでしょう。
やはり各都道府県民が納めた税金によって贅沢なものを買う行為が許せないんですね。
特にコロナ禍において業務停止、失業、倒産、廃業している方が出ている中で、住民の生活を守る使命をもっている各自治体の長が、超高級車を購入し肯定する姿に賛同できる人は少ないと思います。
公用車のセンチュリーが批判される理由
値段が高すぎる
まず、公用車としてのセンチュリーが批判、叩かれる理由は値段です。
値段はおよそ1台2000万円~です。
公用車の場合は“購入”ではなく“リース”ですがそれでも話題になった兵庫県のケースでは月額25万円ほどかかっています。
一般家庭に置き換えた場合、車を分割払いで購入し、毎月25万円も支払っているケースはほぼありません。
センチュリーは超高級車であり高すぎるわけです。
維持管理費も高い
車体価格だけで1台2000万円以上する上に、センチュリーのような超高級車は維持管理費も高いのが特徴です。
良い車というのは万が一事故に遭ったときのために入る車両保険の値段も高いですし、ガソリン代やオイル類、修理時にかかる部品代など大衆車と比較した場合、すべてにおいて高価です。
そしてなによりセンチュリーは“ショーファードカー”といって運転手付きのとして使用する車種の代表であり、自分で運転する車ではありません。
そのため専属運転手の給料が必要になり人件費がかかります。
ただ、知事や市長などが乗る公用車では安全上の観点から運転手付きであることは問題ではありません。
燃費が悪い
先程、ガソリン代について触れましたが一般的に大衆車が使用するガソリンはレギュラーガソリンもしくは軽油です。
しかし、馬力のある車種や外車ではハイオクガソリンを使用します。
センチュリーも300馬力以上ある高排気量車種でありこちらもハイオクガソリンです。
5000㏄もある大きなエンジンを持つセンチュリーですが、燃費は1ℓあたり12.4㎞~13.6㎞ととても悪いです。
まぁロールスロイスなどの高級外車(3~4㎞/ℓ)に比べれば燃費は良い方なのですが、1ℓあたり40㎞弱走るプリウスと比較すると燃費の悪い車になります。(そもそもセンチュリーとプリウスを比較するべきじゃないのですが、、、)
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使用頻度
長野県の公用車として使われているセンチュリーが2020年度は8月までに1日あたり3㎞しか走行していなかったことから売却されることになりました。
2000年1月に1134万円に購入され、2020年までの走行距離は約7万㎞と使用頻度が極めて少ないことがわかると思います。
だいたいタクシーが年間7万㎞走行するので20年間で7万キロしか走行しなかった公用車が、いかに使われていなかったかということです。
知事や市長レベルが乗って良いのかという疑問
センチュリーはどのような層に向けられて作らているのか?というと基本は日本国内の官公庁・企業などの公用車・社用車(役員車)での使用を想定しているため、分かりやすくいえば“偉い人”たちです。
そのためセンチュリーの特別車であるセンチュリーロイヤルは天皇陛下が利用されていますし、通常のセンチュリーも皇族方、国会議員、高級官僚の上層部、民間企業の社長、役員などが主です。
皇族方は除き、国会議員や知事・市長などが乗って良いのか?という疑問があります。
なぜなら彼らが使用するセンチュリーは税金で運用されている公用車だからです。
国会議員は国民の代表であるためセンチュリーに乗っていてもまだ批判されにくい風潮がありますが、知事・市長以下の層になると規模が小さくなる、身近な存在になるため、風当たりが強くなると感じます。
財政が豊富であり住民サービスが充実している自治体であれば構いませんが、センチュリーにかかる費用を住民サービスの充実に回してくればいいのではないか?など多くの人が感じるのは容易に想像できます。
まとめ
やはり、公用車に関しては“税金で運用されている”点が問題で、知事や市長などが自腹でセンチュリーを購入していれば全く問題にならないでしょう。
もちろん、“要人”ですので運転手付きの公用車に乗ることは、忙しい行政の仕事を円滑に進めるためには必要だと思います。
しかし、センチュリーでなければならない理由を問われたときに「壊れやすい車ではいけない」とか「悪路でも耐えられる」など説得力に欠ける説明では支持が得られなくて当然ではないでしょうか。
東京都の小池百合子知事などのように合理性を考えてスタッフ等も同乗できるトヨタアルファードを選んだり、名古屋市の川村たかし市長のように経費削減策の一つとして軽自動車を選択しています。
このように必ずしも公用車=センチュリーじゃなくても良いという価値観を表明することが政治家には必要だと思います。