2020年7月2日未明に東海地方や関東地方で火球(強い光を放った流れ星)が目撃され、最終的に千葉県習志野市のマンションや同県船橋市に民家の屋根に直撃するなど、隕石となって落下しました。
ニュースでは「火球」と報道されましたが、一般的に夜空に光って移動しながら消える星は「流れ星」だと思う人が大半ではないでしょうか。
そこで、NHKの「チコちゃんに叱られる」ではありませんが「火球と流れ星の違いはなに?」と聞かれたときあなたは何と答えますか?
この記事では火球と流れ星の違いを明確に解説したいと思います。
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見えている時間の長さは関係ない
まず、素人目に考えた時火球と流れ星の違いは「見えている時間の長さ」だと思うかもしれません。
流れ星を観測した人ならわかると思いますが、短時間でシュッと消えるのに対し、火球の方が長い時間目撃されているため、「時間の長さ」に注目されがちです。
しかし、見えている長さの違いではありません。
火球と流れ星の違いはない!同じである
ズバリ、結論から申し上げますと火球と流れ星の違いはありません。
同じです。
え、でも習志野隕石のニュースでは流れ星ではなく“火球”と区別されていたけど??
と疑問に思う人もいると思います。
その答えは明るさにあります。
火球は明るい流れ星
火球も流れ星も同じなのですが、火球は流れ星の中でも特に「明るい流れ星」を指します。
明るいとはどういうことか?というと、天文学では等級といって天体の明るさを表す単位があり、太陽の絶対等級は+4.82等級など決まっています。
流れ星は厳密には“星”ではなく「チリ(塵)」なのですが、その中でも特に「明るい流れ星=火球」は絶対等級が-4等級よりも明るい星と定義されています。
だからしし座流星群などの流れ星と異なり、肉眼でも明るくはっきり見えたんですね。
いつどのタイミングで火球(流れ星)は光るの?
実はその明るい火球(流れ星)ですが、常に光っているわけではありません。
宇宙空間にチリ(塵)として漂っているときには光を放っていないんです。
では、火球はいつ?どのタイミングで光るのでしょうか?
それは宇宙空間に漂っているチリの帯に地球が通過した際、チリが引き寄せられるタイミングでプラズマという状態になります。
プラズマ状態になっているチリが高度100キロメートル当たりで発光します。
それが私たちが見ている“火球(流れ星)”です。
プラズマとは
物体は通常、固体・液体・気体の3つに分けられるが4つ目の状態があり、それが「プラズマ」と呼ばれる。
例)雷、火、オーロラ
火球の色は物質によって変わる
火球には真っ白から赤、オレンジ系や青、緑系など色にバリエーションがあります。
色は明るさとはまだ別の尺度があり、色の違いは火球に含まれている物質によって変化します。
例えば、マグネシウムなら緑系、酸素なら緑系、チッ素なら赤系に見えると言われています。
まとめ
- 火球と流れ星は同じ
- 特に明るい流れ星=火球
- -4等級以上の明るさを持っている
- 火球は星ではなくチリ(塵)
- 地球に引き寄せられる時プラズマ状態で発光する
- 火球の色は含まれる物質によって変化する
火球(流れ星)は天体の中でも3回お願い事をする願いが叶うなどスピリチュアル的な要素を持つ神秘的なもののため、多くの人を惹きつけます。
またしし座流星群など毎年、決まった時期になれば見れる流れ星もあれば、習志野隕石のように特に明るく“火球”として目撃され、さらに上空で消滅することなく隕石となって地上に落下するのはとても珍しいです。
東京・上野の国立科学博物館や千葉県立中央博物館では「習志野隕石」の実物が展示され、公開されています。
実際にどこに落ちたのか?までは公開されていませんが、以下の記事ではオリジナルで習志野市のどこのマンションに落ちたのかまで特定できたので、詳細を知りたい方は>>火球!習志野隕石はどこのマンションに落下?場所を特定をご覧ください。