天候が不安定な時期に現れる“かなとこ雲”。
近頃ダブルレインボーや火球など気象や天体において、普段あまり見ることができない現象を見ることが多いですね。
かなとこ雲に関しても、滅多にみられない光景であり、どこか神秘的な印象であることからスピリチュアル的な意味を感じる人も多いのではないでしょうか?
そこで、かなとこ雲にはスピリチュアル的な意味があるのか?調べてみました。
[quads id=1]
スピリチュアル的な意味はない
東京や神奈川、埼玉など関東南部で「かなとこ雲」が見られています。
かなとこ雲の真下ではゲリラ豪雨となっていることが多く、激しい雨に加えて落雷や突風など注意が必要です。ただ、この雲が関東南部に流れ込む可能性は低い見込みです。https://t.co/yBxHdp6oqA pic.twitter.com/E8cP69EjD8
— ウェザーニュース (@wni_jp) August 30, 2020
ズバリ、かなとこ雲にスピリチュアル的な意味はありません。
なぜか?
それは、かなとこ雲は完全に気象学で説明がつく現象だからです。
確かに、かなとこ雲が現れるとゲリラ豪雨など大気が不安になるため、スピリチュアル的には不吉な現象に感じるでしょう。
しかし、かなとこ雲は積乱雲の変形であり、冷気と暖気の対流により天候が悪くなることがわかっています。
かなとこ雲のあのような形状の雲ができる原因は、積乱雲が上昇し対流圏と成層圏の境目である対流圏界面まで行ったときに、それ以上の上に行けず、上から押しつぶされように横に広がるからです。
例えば部屋の中で煙が上がったら、天井に達したときに横に広がりますよね?
それと同じような状態が「かなとこ雲」です。
かなとこ雲は積乱雲の1種
まず、かなとこ雲とは積乱雲(せきらんうん)が変形したものです。
積乱雲が対流圏と成層圏の境界である対流圏界面というところまで到達したときに、それ以上高く上昇できず、横に広がる状態をかなとこ雲といいます。
積乱雲とは強い上昇気流によって空高く垂直(鉛直方向)に発達した雲のことで、高さ10㎞以上を超えて成層圏に上ることもあります。
横(水平方向)には数㎞~十数㎞広がり、大気が不安定なときに現れます。
大気が不安定とはどいうことかといえば、上空は冷たい空気があり地上には温められた空気の層がある状態で、上昇する温かい空気と下降する冷たい空気の熱が交わるため、一時的に空気の状態が不安定になるということです。
そのため積乱雲の下では雷を伴うゲリラ豪雨や竜巻、ときにはひょうが発生することもあり、とても危険な状態になります。
[quads id=1]
なぜスピリチュアル的な意味を感じるのか?
かなとこ雲が気象学的に説明の出来る現象だということはお分かりになったと思います。
しかし、なぜスピリチュアル的な意味を感じるのか?といえばそれは
普段あまり見られない希少な現象であり、光景が美しいからです。
そしてさらに深く掘り下げると、神秘的な光景に惹かれるのは古来より私たち人間が持つ性質です。
例えば山岳信仰や磐座(いわくら)と呼ばれる岩に対する信仰、神木など自然崇拝、精霊崇拝などのアニミズムは私たちの祖先が行ってきた1つです。
かなとこ雲にスピリチュアルを感じている例
実際にかなとこ雲を目撃すると神秘的な印象を受けます。
https://twitter.com/youtube_abobono/status/1301137570433122305神秘を感じますよね。
神秘的
「「かなとこ雲」が関東南部で目撃される☁️」 https://t.co/KWjNpzUMAA
— あゆぽ|x·) 胃カメラ (@ayuthi) August 31, 2020
恐ろしいと感じている方もいらっしゃいますね。
今日の雲らしい。
その名もかなとこ雲
神秘的だけど恐ろしい〜
山梨の方大丈夫だったかなー pic.twitter.com/LtU2Y0Sfdj— 鈴木健太@SHIFUKU (@chagovo) August 30, 2020
まとめ
かなとこ雲にスピリチュアル的な意味があるのか?といえば直接的にはありません。
なぜなら、気象学として説明できる現象だからです。
また地震の予兆を示す地震雲ではないか?という疑問を持たれるケースもありますが、それも関係ありません。
地震雲と呼ばれる雲の存在については専門的に研究されている方もいらっしゃいますが、こと“かなとこ雲”とは別の話です。
ただ、個人的にそれぞれが、かなとこ雲にスピリチュアル的な意味を持たせるかどうかは自然崇拝にかかるまた別の話です。
いずれにしても人は珍しい現象には惹かれるものですね。